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千葉地方裁判所 昭和40年(わ)259号 判決

本店

千葉県香取郡小見川町阿玉川八八四番地

株式会社 アタリヤ農園

右代表取締役

増田達哉

本籍

千葉県香取郡小見川町小見川九七三番地の一

住居

同県同郡同町小見川九七三番地の二

会社役員

増田達哉

昭和三年五月五日生

右被告会社並びに被告人に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官検事が出迎出席の上審理を遂げ左の通り判決する。

主文

被告会社を罰金七百万円に処する。

被告人を懲役六月並びに罰金百万円に処する。

但し被告人に対しては本裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

被告人において右罰金を完納できないときは金五千円を壱日に換算した期間労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、千葉県香取郡小見川町阿玉川八八四番地に本店を設け、種苗類の販売等を営業の目的とする資本金五百万円の株式会社であり、被告人増田達哉は右会社の代表取締役として会社の業務一切を統轄処理していた者であるが、被告人は被告会社の業務に関し法人税を免れる目的をもつて種苗類の売上、仕入の一部脱漏等による簿外預金の設定等の不正な方法により所得を秘匿し

第一、昭和三十六年五月一日より昭和三十七年四月三十日までの事業年度において被告会社の実際の所得金額は二六、三五七、一五八円あつたのにかかわらず同年六月二十九日所轄佐原税務署長に対し所得金額が三、三四二、四六二円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度における正規の法人税額九、八四一、二六〇円と右申告税額一、〇九九、五九〇円との差額、八、七四一、六七〇円を逋脱し(別紙第一の通り)

第二、昭和三十七年五月一日より昭和三十八年四月三十日までの事業年度において被告会社の実際の所得金額は、二六、三四八、七五一円あつたのにかかわらず同年六月二十九日所轄佐原税務署長に対し所得金額が三、〇一五、六五八円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度における正規の法人税額九、八三八、〇七〇円と右申告税額九七五、九〇〇円との差額八、八六二、一七〇円を逋脱し(別紙第二の通り)

第三、昭和三十八年五月一日より昭和三十九年四月三十日までの事業年度において被告会社の実際の所得金額は、四〇、二九七、二八三円あつたのにかかわらず同年六月三十日、所轄佐原税務署長に対し所得金額が三、六五三、六三七円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度における正規の法人税額一五、〇七〇、九九〇円と右申告税額一、一五四、五二〇円との差額一三、九一六、四七〇円を逋脱し(別紙第三の通り)

たものである。

(証拠の標目)

標目欄凡例

検(検察官に対する供述調書)

〈省略〉

(弁護人の主張に対する判断)

弁護人は被告会社は昭和三六年四月三〇日現在第一銀行札幌支店に百万円の定期預金があつたものであると主張する。しかしながらこれを認めるに足る証拠がないので右主張はこれを採用することはできない。

(法令の適用)

一、被告会社、昭和四〇年法律三四号による改正前の法人税法四八条一項、五一条一項、罰金等臨時措置法二条一項、(昭和四〇年法律三四号付則一九条)、刑法四三条前段、四八条二項。

二、被告人、昭和四〇年法律三四号による改正前の法人税法四八条一項、罰金等臨時措置法二条一項(昭和四〇年法律三四号付則一九条)(懲役刑及び罰金刑併科)併合罪刑法四五条前段、懲役刑四七条本文、一〇条、(犯情重き判示第三の罪の刑に決定加罰)罰金刑、四八条二項、懲役刑執行猶予刑法二五条一項、労役場留置、同一八条。

(裁判官 小室孝夫)

別紙第一 修正貸借対照表

昭和37年4月30日現在

〈省略〉

別紙第二 修正貸借対照表

昭和38年4月39日現在

〈省略〉

別紙第三 修正貸借対照表

昭和39年4月30日現在

〈省略〉

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